理事長室から 理事長室から

Vol.8

―「ビジョン」と「プロミス」―

<昨年9月から策定作業>


昨年9月に着手した新潟青陵学園の将来ビジョン策定作業が5月1日に終了しました。今回策定した「新潟青陵学園将来ビジョン」(以下、「青陵将来ビジョン」)や「青陵ミッション」を胸に刻み、2025年から2040年まで3期にわたる5か年計画の作成・遂行にしっかりと取り組んでいきますので、地域の皆さま、関係者の皆さまのご支援・ご協力を改めてお願いします。

今回策定した「青陵将来ビジョン」は、本学園の建学の精神「日進の学理を応用し、勉めて現今の社会に適応すべき実学を教授する」を基点として、青陵学園の2040年のあるべき姿・目指す姿を描くものです。本学園の教職員15人から成るプロジェクトチームを核に、「全員参画」の精神で取り組んできました。この種の作業としてはかなり短期間に集中的に取り組む形となりましたが、折しも新型コロナの収束が見えてきた時期に策定を終えましたので、これから「ポストコロナの時代」の活動の柱に「青陵将来ビジョン」を据え、学園挙げて実践に取り組んでいきます。

<「青陵ミッション」と「青陵将来ビジョン」>


まず本学園の基本姿勢を示す「青陵ミッション」と、あるべき姿を端的に表す「青陵将来ビジョン」については、以下のように規定しました。

青陵学園は、品性や知性、徳性を備えた学びを重視してきており、「多様な価値観の尊重」と「インクルーシブ社会の実現」を目指します。また、「実学・実践」は青陵が最重要視する価値観です。そんな考えの下、青陵将来ビジョンの根幹には「ソーシャルイノベーション」を据えました。今後は「実学の教授」だけでなく、様々な社会課題を解決できる人材の育成に努めると共に、地域や民間・企業、行政などと繋がって社会を変革していくコアに青陵はなっていきます。社会課題を解決していく拠点になることで、同じ志を持つ方が集う広場(スクエア)の役割も果たしていきます。

<「長期戦略」や「グランドデザイン」も作成>


青陵将来ビジョンを実現するための「長期戦略」も作成しました。ここでは①学校運営から戦略的学園経営へシフト②デジタルを活用した経営・研究・教育の改革(DX戦略)③青陵独自の研究・社会貢献(SEIRYOサイクル)および独自の教育プログラム(SEIRYOスタンダード)の開発―の3点を紹介しておきます。また、長期目標・長期戦略に基づく「グランドデザイン」は、①経営(事業ポートフォリオ、組織、財務)②研究③教育(人材育成)④実践(社会貢献)―4分野を中心に、「キャンパス・施設整備」「ICT関連」の視点も入れて2025年からの中期計画(5年間・3期)を推進していきます。

<既に改革チームも発足>


多岐にわたる取り組みを統括する「2040ビジョン推進本部」は、青陵将来ビジョン確定に先立ち、4月10日に発足しました。また、第1期中期目標(2025年度から5年間)策定に向けて具体作業に当たる5つのチームも準備ができ次第、活動に入ってもらいます。既に高校と短大の改革チームが動き出していますし、「ソーシャルイノベーションセンター設置構想チーム」も一部でスタートを切りました。このチームはテーマが大きく、取り組みも多岐にわたるため分科会方式をとることにしています。「地域との協働チーム」は、青陵が立地する西海岸に自生する月見草の栽培普及に当たる「月見草プロジェクト」を地域と共に再開させ、松林や海岸など学園外の環境美化活動も本格展開を図っていきます。

また、青陵学園卒業生や教職員OBの絆を強くし、「オール青陵」で様々な活動に取り組む「アルムナイ」も分科会の1つとしました。「青陵アルムナイ」を核に、様々な方たちと連携して社会課題の解決に取り組んでいきます。

<「地域へのお約束」も発出>


「超少子時代にあっても、揺るぎない青陵学園をつくる」―これがビジョンの目指す方向です。そう言うと「ビジョンは学園の話ね」と、他人事に受け止める方もいらっしゃるかもしれません。私たちは、ビジョンの前提として「県民・地域から支持され、求められる青陵学園になりたい」との青陵の思いを、しっかりと地域に伝えることが必要とも考えました。「青陵が地域にあって良かった! 新潟にあって良かった!」と一人でも多くの住民・市民から感じていただけるために何を実践していくのかーこの観点から理事長の立場で「青陵プロミス~地域へのお約束」を発出しました。内容は以下の通りです。

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◆「青陵プロミス~地域へのお約束」◆
―県民・地域から支持され、求められる青陵学園へ―
<「青陵が新潟にあって良かった、地域にあって良かった!」と言われる青陵学園を目指して>

*超少子・超高齢社会にあって
・青陵は子育て、看護・介護分野の人材を育て、地域の暮らしの質を高めます
(大学看護・福祉心理学部+子ども発達学科、短大幼児教育・人間総合学科を中心に)

・青陵は子育てや学び、暮らしの不安を軽くし、安心な地域を築きます
(大学福祉心理子ども学部、短大人間総合学科、高校、幼稚園を中心に)

*AI・ロボットの時代にあって
・青陵は新潟の民・官と連携し、「真のDX人材」を育てます
(短大人間総合学科を先導役にして 高校・大学と連動)

・青陵は、いつの時代にあっても人間の温かみが求められる分野の人材を育て続けます
(子育て・看護・介護分野⇒こころの健康、不登校、引きこもり対応へ)

*人口減・人口流出の時代にあって
・青陵は地元の人材を地元で育て、地域社会に送り出すことで、新潟の安心な暮らしと地域の活性化に寄与します
(学園全体)

・青陵は新潟の企業・マスコミ、首都圏の大学などとの連携を強化して、新潟へのUIターンを促進します
(学園全体 特に大学、短大)

・新潟でスポーツ・ダンス文化を盛んにし、県内外の若者を育てます
(学園全体 特に高校、短大、大学)

*学園と地域との関係強化が求められる時代にあって
・2025年度に=「ソーシャルイノベーションセンター」(仮称)を学園に設置し、住民の方々や産官と連携して、共に地域課題の解決に取り組みます

・2023年度から=青陵が立地する西海岸の松林、浜辺の環境を地域・民間団体・行政と連携して改善し、多くの人が訪れ・楽しめる、快適な西海岸(ハマベリング)づくりに着手します
(学園全体)

・2023年度から=「地域の茶の間」や「子ども食堂」を支援し、温かな新潟づくりに寄与します
(学園全体)

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これから青陵学園は、ポストコロナの時代を「青陵将来ビジョン」と「青陵プロミス」を両輪として活動していきます。これまで以上に地域との連携を強くしてまいりますので、よろしくお願いします。

2023年5月10日
新潟青陵学園理事長 篠田 昭