Vol.21
「2026年度の基本スタンス」を公表―「地学一体」の推進が大きな柱―
NEW<新年度が順調にスタート>
新潟青陵学園の2026年度が順調に始まりました。4月2日には青陵大学・短期大学部で入学式が行われ、開花したサクラの下で新入学生を迎えることができました。今週は7日に青陵高校で入学式、10日には青陵こども園で入園式を迎え、青陵学園の新年度が本格的にスタートします。
新年度を迎えた4月1日、大学・短期大学部の教員と学園事務局の幹部職員に集まってもらい、理事長として青陵学園が今年度目指す方向を「青陵2026年度の基本スタンス」として、教職員の皆さんにお伝えしました。この中で学園の教育方針に関わる部分をご報告します。

<「人材を地域と共に育てる」>
新年度の基本スタンスの中で、最も大きな柱とするのが「地学一体」の推進です。これについては1月の「理事長室から」でも書かせてもらっていますが、改めて説明します。
青陵はこれまで「地元の人材を地元で育て、人財として地域にお返しする実学の実践」で地域からの信頼を得てきました。今後は、「人材を地域と共に育て、社会課題解決などに役立つ人財として地域にお返しする」教育方針をそれぞれの校種で徹底し、実践する「地学一体」の取り組みを強化していきます。22歳人口の流出が新潟でも大きな問題になっている今、「地学一体」を実践することが、地域の方から「青陵が新潟にあって良かった!地域にあって良かった!」と思っていただけると考えるからです。
<大都市圏の吸引圧力が増加>
ここ2年ほど、大都市圏が地方人材を吸引する圧力が目立ってきています。コロナ禍のころは青陵大学・短期大学部の卒業生のうち学科によっては9割、低い学科でも4分の3ほどが県内で就職していました。それが2024年度ごろから大都市圏を中心とした県外に就職する割合が増えてきました。看護学部を見ると、20年度から23年度までは県内就職率が70%台半ばだったものが24年度は64%まで低下。25年度は県内53%、県外47%と拮抗してきています。
看護などのエッセンシャル人材は新潟県の暮らしの質を維持していく上で大変重要ですし、22歳人口の県外流出に悩む新潟県にとっても大切なポイントです。
私たちは、例えば保育人材については新潟市・私立保育協会・青陵学園などが包括連携協定を結んで、「新潟市で保育に従事する素晴らしさ」を保育体験などで子どもたち・若者に伝える取り組みをスタートさせています。今後は看護などの分野でも取り組みを強める必要があります。
<engawaプロジェクトが始動>
青陵学園は今後、高校・短大・大学が一貫して生徒・学生を積極的に地域に送り出し、多くの経験・体験を積んでもらうことに一層力を入れていきます。また、さまざまな経験をしてきた地域の方に学園にお越しいただき、実践談・体験談を語っていただくことも大切にしていきます。
さらに学園は新潟市と連携して今年度、「しもまちengawaプロジェクト」に取り組みます。これは、新潟市の下町(しもまち)の一角に位置する下本町商店街の空き店舗を整備し、学生・生徒たちと地域の方々が交流する拠点をつくるものです。
このプロジェクトは本学園が地域課題・社会課題解決に本格的に取り組んでいくシンボル事業です。本学園は既に昨年末、地域課題解決の司令塔であり、総合相談窓口ともなる「青陵ソーシャルイノベーション推進機構(青陵SI)」を開設しました。学園総体として、地域との関わりを増やし、「地学一体」の学びを本格化させていきます。
<学園全体で実践>
高校では、総合的な探究の時間が「地学一体」のステージになると思いますし、いま大きく変わりつつある中学校の部活動支援にもいくつかの分野でお役に立てるよう、構想を具体化していきます。
大学・短大では、保育人材確保で成果を挙げているような連携の強化・構築を関係団体・経済界に働きかけていきます。また、学生に地域企業をよく知ってもらうため、インターンシップの長期化や反復化なども、できるところから深化させていきます。
<学園の総合力を強化>
「地学一体」と並んで、26年度の基本スタンスの柱に据えていくのが「学園としての総合力の強化・発揮」です。
青陵高校は昨年度、全日制改革を実施しました。これまでのコースに替り、①看護や保育・福祉などのエッセンシャル人材を目指す「エンパワメント」②目指す大学への進学指導を徹底する「キャリアアドバンス」③自らの特性に合った進路を探り、切り拓いていく「キャリアデザイン」―の3コースです。これに添った本格的な学びは2年生からが中心となるので、今年度が事実上の改革スタートの年となります。青陵学園では先ほど申し上げた「地学一体」の基本方針で地域での学びを強化する一方、「学園の総合力の発揮」にも力を入れていきます。
例えば「エンパワメントコース」には、大学看護学部や福祉心理子ども学部、短大幼児教育学科の教員が高校に出向いて、暮らしを支えるエッセンシャル分野の大切さと素晴らしさを高校生に語り掛けます。「キャリアアドバンス」「キャリアデザイン」にも同様に教員が出向きます。短大人間総合学科の幅広い学び、大学臨床心理学科の奥深い学びでなどを体感してもらい、高校生を刺激しながら学ぶこと、社会で役割を果たしていくことの意味を考えてもらいます。
<高校生が短大・大学でも学ぶ>
また、青陵高校は新年度から通信制課程もスタートします。青陵の通信制の学びは、生徒たちがこれから社会で生きていく上で重要となるコミュニケーション力や課題解決力を身につけてもらう「ポータブル・スキル」を重視しています。そして、通信制で学ぶ生徒の中には特定の分野に強い関心や高い専門性を持つ方もおられます。私たちはこれらの生徒さんの興味・関心を掘り起こしながら、青陵大学・短期大学部の授業も2学期から受けてもらうよう、態勢を整えています。
高校生に大学・短大の授業を学ぶ機会を持ってもらうことで、学びの素晴らしさを実感してほしいと思います。これは本学園が連携している実践女子大や関東学院大では既に実践されており、そこで学んだ高校生がその大学に進学された際には「単位の認定」が制度化されています。青陵高校でもまず通信制で大学・短大の授業が受けられるようにしていきます。
このようにして、こども園から高校・短大・大学・大学院まである青陵の特長を「学園の総合力」としてフルに発揮できるよう、努めていきます。
青陵学園では、この「青陵2026年度基本スタンス」について最大限取り組んでいきますので、皆さんから今年度もご助言・ご支援をお願いいたします。

2026年4月7日
新潟青陵学園理事長 篠田 昭

