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Vol.22

“地域課題解決の拠点”仮オープン―「しもまちengawaプロジェクト」始動―

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<下本町の空き店舗を「居場所」に>
新潟青陵学園では地域課題・社会課題の解決を図る「ソーシャルイノベーションのスクエア(広場)になる」ことを「青陵学園2040将来ビジョン」に掲げて、歩を進めています。そのための具体的一歩を6月30日に踏み出しました。それが「しもまちengawaプロジェクト」の「居場所」お披露目です。
これは、新潟市の中でも高齢化・ドーナツ現象が進む新潟島の下町(しもまち)地区を舞台に、さまざまな地域課題の解決に取り組むもので、青陵学園が昨年度、開設した「青陵ソーシャルイノベーション推進機構(青陵SI)」の新規事業の柱でもあります。まずは下本町商店街の空き店舗を学生や地域の「居場所(engawa)」とし、今年度はそこを拠点にさまざまな事業展開を予定しています。
この取り組みについては「ブログ青空リポート・下町に『engawa』を」(2025年12月3日)でも紹介しましたので、詳しくは繰り返しませんが、新潟市のクラウドファンディング型ふるさと納税制度を活用していただいた170万円の寄付を活用し、空き店舗を地域の「居場所」として再生するもので、新潟市との協働事業でもあります。

<学生たちがDIYで奮闘>
寄付のお願いは昨年12月で終了し、“ゴミ屋敷状態”だった空き店舗を快適空間に替える取り組みが始まりました。青陵大学社会福祉学科コミュニティビジネス・コースで学ぶ学生たちが担当教員らと共に3トンを超すゴミを搬出し、DIYによる内装リノベーションに取り組んできました。この作業がほぼ終わった6月30日、「まずは地域の方々に再生された空間を見ていただき、今後の活用へのご意見をいただこう」との趣旨で「プレオープンイベント」を開催しました。

学生たちの力で素敵な空間に生まれ変わった「空き店舗跡」
板張りの床や古民家風の天井の梁などを背景に、お客様を待つ学生スタッフたち

私は久しぶりに空き店舗を訪れたのですが、ゴミが溢れていた座敷などがきれいに改装され、清潔で快適な空間に生まれ変わっていました。玄関からすぐの座敷は板張りに替り、壁際には多目的に活用できる映像設備や本棚が整備されていました。天井は古民家の趣のある梁が見えるようになっており、奥の座敷はみんなが車座になって語り合えるような長椅子がセットされています。ここまで整備してくれた学生たちの行動力・実践力に感謝です。

下本町商店街の一角につくられる居場所「灯り場(ともりば)」。
仮オープンのこの日は玄関前にテントを張って、学生たちが地域の方をもてなしました

<地域の関係者30人が出席>
お披露目会には下本町の「フレッシュ本町商店街」の齋藤会長や下町地域の4コミュニティ協議会・自治会の役員、中央区の袖山区長ら行政関係者、学区の日和山小・柳都中校長先生ら30人ほどが顔をそろえてくれました。指導に当たったコミュニティビジネス・コースの三浦修教授らは、この日は裏方に徹し、学生たちが進行役や説明役を務め、「内覧・説明会」がスタートしました。

内覧会が始まる前に新しくなった居場所の雰囲気を確かめる参加者の皆さん

まず、主催者として青陵SIの機構長でもある私が「しもまちengawaプロジェクト」の趣旨を説明すると共に、ここまでご協力いただいた地域の方に感謝の言葉を述べました。

次いで学生チームが映像画面を活用してプロジェクトの概要や2025年度の取り組み、そして今後の展開とその活動の意味などについて、7枚の資料で説明しました。まず、そのうちの4枚を掲示しますので、ご覧ください。

<新発田の畑を映像で紹介>
コミュニティビジネスを学ぶ学生たちは、既にコミュニティカフェ「ぶるーすたー。」の活動や新発田市真野原地区の畑を借りての野菜づくりなどに取り組んできました。ありがたいことに、この活動に多くの学外関係者が協力してくれています。

映像画面で新発田市真野原の畑を紹介。「コミュニティビジネスの畑」との看板が立っています

<地域資源を循環>
この日、学生たちが活用した「地域資源循環型コミュニティビジネス」の図を基に概要をご説明します。

地域資源循環型コミュニティビジネスの説明図

新潟市水族館「マリンピア日本海」からはトドの餌の残渣をいただき有効活用。青陵SIが実施している「青陵の森整備プロジェクト」からは伐採したニセアカシアから木質チップの提供を受け、海岸清掃活動にいそしむ「一般社団法人・スマイルストーリー」と資源循環でコラボ。さらに「株式会社農業未来総研」がそれらを原料に堆肥化するプラントを西蒲区で動かしています。そこで作られた堆肥を新発田市の畑で活用し、美味しい野菜の栽培に努めます。この堆肥の効果を東京の「三光株式会社」が測定・可視化する作業に協力。できた野菜は障がい者支援組織「みんなの家ともとも」などが購入し、施設の食事づくりに活用します。また、未利用魚の活用に取り組む「株式会社バイオガール」とはエソのスープづくりで青陵大学短期大学部との協働が始まり、エソを出汁にしたラーメンが今月上旬、本学園の学食で試食されます。これを軌道に乗せ、下町での「湊スープ」などの販売に結びつける計画です。
これらの協力企業・団体の多くとは学園が連携協定を結び、地域資源の循環とコミュニティビジネスを結びつけ、「地域が学生を育てていく」先行事例の一つにもしていこうと考えています。

<11月にはグランドオープン>
人口減少と高齢化に悩む下町は、空き家や「お一人様問題」、さらに地域文化の継承などに悩む「課題先進地域」でもあります。これらの課題に「しもまちengawaプロジェクト」はどのような形で向き合おうとしているのかを説明したのが下の説明図になります。

地域課題に対応するengawaプロジェクトのアプローチを示した図

「孤立・つながりの希薄化」には「居場所づくり」で対応し、「空き店舗・空き家問題」には今回の取り組みで示す「空間の社会的再生」で応えます。さらに「地域文化の喪失」には青陵学園の学生・生徒たちが下町と関わることで「文化の継承・再編集」にも力をお貸ししたい、と考えています。
11月3日、文化の日には下本町商店街を舞台に「運動会」を企画。この日をengawaプロジェクトの「グランドオープン」の日にできるよう、準備を進めていきます。

2026活動計画と達成目標を示した図。11月3日の運動会にはコミュニティカフェも出店します

<地域の方のご意見を聞きながら>
 この日は学生から「取り組みの経過」と「今後の展開」についてご説明し、その後、1階と2階の各ゾーンを内覧いただきました。参加者には学生たちが淹れたコーヒーを召し上がっていただき、新発田の畑で採れた玉ねぎをお持ち帰りいただきました。

学生の説明を聞いた後、施設を見ながら談笑する参加者の皆さん

資料を用意し、学生たちは精いっぱいプロジェクトについて語ってくれましたが、1回の説明でご理解をいただけなかった方もいらっしゃったと思います。これから地域の方とのやり取りを重ねて、地域のご希望や困りごと解決に少しでも対応できるように努め、11月のグランドオープンが盛り上がるようにしていきます。下町の方からは大いにご意見・ご希望などを賜りたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

2026年7月10日
新潟青陵学園理事長 篠田 昭

青空リポート